DeepLとは?AI翻訳の仕組みと何ができるのかを公式情報で整理する

DeepLとは?AI翻訳の仕組みと何ができるのかを公式情報で整理する
クリス

DeepLとは、どんなサービスなんですか?

先に結論

DeepLとは、ドイツのDeepL SEが提供しているAIを使った翻訳サービスです。

テキスト翻訳だけの道具ではなく、文書ファイルの翻訳、文章の推敲、リアルタイムの音声翻訳、開発者向けのAPIまでを1つのプラットフォームに載せています。

対応言語は100以上で、公式サイトが掲げる導入企業は世界で20万社以上です。

無料版でも1か月に5万文字までのテキスト翻訳と、月1件のファイル翻訳が使えます。

有料のDeepL Proは、ユーロ表示の料金ページで見ると、個人向けのIndividualが月額換算€7.49(年払い・税込)からです。

目次

DeepLとは|ドイツ発のAI翻訳プラットフォーム

クリス

DeepLって、翻訳サイトのことですよね?

うさみほ

翻訳サイトとして知られていますが、公式の扱いはもう少し広いです。
翻訳・推敲・音声翻訳・APIをまとめた「プラットフォーム」として説明されています。

DeepLは、文章・ファイル・音声を相互に翻訳するためのAIサービスです。

日本語の公式トップページは、自社を「統合型AIファースト翻訳プラットフォーム」と表現しています。

翻訳エンジン単体ではなく、翻訳を軸にした複数のプロダクトの集まりという位置づけです。

公式サイトのメニューに並んでいるプロダクトは4つあります。

DeepLが公式サイトで並べている4つのプロダクト
  • DeepL翻訳:テキストとファイルをセキュアに、効率よく、正確に翻訳する
  • DeepL Write:文章力を向上させ、読み手に合わせて推敲する
  • DeepL Voice:リアルタイムの音声翻訳で多言語のコミュニケーションを支える
  • DeepL API:自社のプロダクトを多言語化する開発者向けの仕組み

この4つに加えて、Microsoft WordやGoogle Workspaceへ組み込む統合機能が用意されています。

出典はDeepL公式トップページです。

DeepLのAI翻訳の仕組み|ニューラルネットワークと4つの改良

クリス

ほかの翻訳サービスと、DeepLは仕組みが違うんでしょうか?

うさみほ

土台は同じニューラルネットワークです。
違いは、その作り方をどこまで作り込んだかにあります。

DeepLは、ほかの多くの翻訳システムと同じく、人工ニューラルネットワークを使って文章を翻訳しています。

ネットワークの訓練に使われているのは、何百万もの翻訳済みテキストです。

公式ブログ「DeepLの仕組み」は、DeepLのリサーチャーが大きく改良してきた分野として、次の4つを挙げています。

DeepLが公式ブログで挙げている4つの改良
  • ネットワークアーキテクチャ:Transformerのアテンション機構などを一部採用しつつ、ネットワークのつなぎ方(トポロジー)を大きく変えている
  • トレーニングデータ:インターネット上の翻訳を自動で探し、品質を自動で評価する専用のクローラーで、質の高い訓練データを集めている
  • トレーニング方法:訳文と正解を何度も比べて重みを直す「教師あり学習」に、機械学習のほかの分野の技術を組み合わせている
  • ネットワークのサイズ:何十億ものパラメータを持つネットワークを、専用の大規模な計算クラスターで分散して訓練している

公式は、パラメータを効率よく使う研究によって、小規模でも高速なネットワークで同等の品質を出せるようになったと説明しています。

その結果、無料版のユーザーにも高精度の翻訳を届けられるようになった、というのが公式の説明です。

ただし、このブログの最終更新日は2021年10月31日です。

いまのDeepL翻訳の製品ページは、翻訳エンジンの上に、言葉づかいをそろえる仕組みや作業の流れを管理する仕組みを重ねた形で紹介しています。

DeepL翻訳の製品ページが紹介している3つの仕組み
  • Customization Hub:企業独自の用語や文体、語調を一元管理し、翻訳全体に一貫して適用する
  • Translation Flow:多言語プロジェクトの翻訳ワークフローを構築・管理し、クラウドストレージやCMSとつなぐ
  • メディア翻訳:PDFやWordなどの文書を原文の書式を保ったまま訳し、画像やInDesignのファイルにも対応する

出典はDeepLの仕組み(DeepL公式ブログ)とDeepL翻訳の製品ページ(DeepL公式)です。

DeepLの基本情報|運営会社とサービス開始の時期

DeepLを運営しているのはDeepL SEという会社です。

公式の発行者情報のページに、所在地と代表者が明記されています。

項目公式の発行者情報に載っている内容
会社名DeepL SE
所在地Maarweg 165, 50825 Cologne, Germany(ドイツ・ケルン)
設立者ヤロスワフ・クテロフスキー(Jaroslaw Kutylowski)
最高経営責任者Dr. Jaroslaw Kutylowski
商業登記Amtsgericht Köln, HRB 104617
DeepL翻訳の開始2017年8月
DeepL Proの発表2018年3月

出典は発行者情報(DeepL 公式)です。

DeepL翻訳がサービスを開始したのは2017年8月で、そこから機械翻訳の品質記録を更新し続けてきたと公式は説明しています。

その翌年の2018年3月に発表されたのがDeepL Proです。

DeepL Proに登録すると、オンライン翻訳が使いやすくなるだけでなく、翻訳ソフトにDeepLのアルゴリズムを組み込むこともできます。

DeepL APIを使って、アプリやサービスを新しく作ることも想定した設計です。

公式の発行者情報には、連絡先としてファックス番号とinfo宛のメールアドレスまで載っています。

社内のPDF翻訳にはApryse SystemsのSDKを使っているという技術的な注記も、同じページに置かれています。

DeepLの対応言語は100以上|どこまで訳せるのか

翻訳サービスを選ぶとき、最初に確かめるべきなのが対応言語の数です。

DeepLの日本語トップページは、ファイル翻訳について「100以上の言語へ迅速かつ安全に翻訳します」と説明しています。

同じページの下部にも「100以上の言語をご利用いただけます」という見出しが置かれています。

人気の言語ペアとして公式が挙げているのは、英語から日本語、日本語から英語、中国語から日本語の3つです。

開発者向けのドキュメントには、もう少し細かい情報が載っています。

文体のルールを適用できる訳文の言語は、次の33種類です。

区分言語コード
文体ルールに対応する訳文言語ar/bg/cs/da/de/el/en/es/et/fi/fr/he/hu/id/it/ja/ko/lt/lv/nb/nl/pl/pt/ro/ru/sk/sl/sv/th/tr/uk/vi/zh

出典はLanguages supported(DeepL 公式ドキュメント)です。

対応言語の一覧はプログラムからも取得できる形になっています。

公式ドキュメントは /v3/languages というエンドポイントを案内していて、言語ごとの機能の可否まで返します。

旧来の /v2/languages も使えますが、こちらは非推奨の扱いです。

DeepLの無料版と有料版のちがい

DeepLは無料版でも、1か月に5万文字までのテキスト翻訳と月1件のファイル翻訳が使えます。

有料のDeepL Proで増える文字数や用語集の枠、支払い方法は、DeepLの料金プランを整理した記事で読めます。↓

DeepL Writeは翻訳とどう違うのか

クリス

DeepL WriteとDeepL翻訳は、何が違うんですか?

うさみほ

訳すか、直すかの違いです。
Writeは、書いた文章を読み手に合わせて推敲してくれます。

DeepLの製品の中で、翻訳と混同されやすいのがDeepL Writeです。

公式の説明は「文章力を向上させ、読み手に合わせて推敲」となっています。

別の言語へ訳すのではなく、同じ言語の文章を直す道具です。

テキストを入力またはペーストすると、推敲のヒントが表示される仕組みです。

公式トップページのAI校正の欄には、ブランドや読み手に合わせて文体やトーンを調整できると書かれた説明が置かれています。

有料版のDeepL Write Proは、料金ページで次の条件が示されています。

DeepL Write Proの提供条件
  • 価格:ユーザーあたり€6.99/月(年払い・VAT込み)
  • 追加できるプラン:IndividualとTeam(アドオン)
  • 最初から含まれるプラン:Business

詳しい内容はDeepL Write(DeepL 公式)で確認できます。

DeepL Voiceが担当するリアルタイムの音声翻訳

2026年のDeepLで前面に出ているのが、音声翻訳のDeepL Voiceです。

公式サイトのバナーは「話し言葉をリアルタイムで翻訳し、話し手の声で再生」と説明しています。

機械的な合成音声ではなく、話した人の声に似せて再生するのが特徴です。

用途は2つに分かれていて、公式のメニューにもそれぞれの名前で並んでいます。

DeepL Voiceの2つの形
  • DeepL Voice for Meetings:多言語のオンライン会議で使う
  • DeepL Voice for Conversations:対面での会話で使う

公式トップページのデモでは、スペイン語で話した顧客の発言が英語へ、英語の応答がスペイン語へ戻る流れが示されています。

DeepL Voiceの利用枠は、有料プランならユーザー1名あたり毎月30分です。

Voice専用のデスクトップアプリも公式のアプリ一覧に並んでいます。

DeepL APIを自社のサービスに組み込む

開発者向けの入口がDeepL APIです。

公式トップページには、リクエストの例として POST /v2/translate というエンドポイントが表示されています。

送るのは翻訳したいテキストと、原文の言語コードと、訳文の言語コードです。

curl・JavaScript・Python・.NETのサンプルが公式の画面に並んでいます。

DeepL APIまわりで公式が用意しているもの
  • SDK:主要なプログラミング言語向けのライブラリ
  • DeepL CLI:コマンドラインから翻訳を呼び出す道具
  • DeepL MCPサーバー:AIエージェントからDeepLを呼び出すための仕組み
  • Postman向けの資料とOpenAPI仕様:リクエストの形を確かめながら試せる
  • 無料版のAPIキー:公式サイトのメニューから取得できる

文字数の見積もり方や地域別のエンドポイントなど、本番運用を想定したページもそろっています。

自社の製品を多言語化する用途が、DeepL APIの想定する使い方です。

DeepLのセキュリティとデータの扱い

クリス

無料版に、仕事の文章をそのまま貼っても大丈夫でしょうか?

うさみほ

そこは、DeepL Proかどうかで扱いがはっきり分かれます。
公式の説明を先に確かめておきましょう。

業務で翻訳サービスを使うとき、いちばん気になるのは入力した文章の行方です。

DeepLの公式FAQは、Pro加入者のデータについて明確に線を引いています。

DeepL Proのお客様のデータは、DeepLのAIモデルを訓練するために使用されないという説明です。

プラン比較表を見ると、「データの訓練に使用されない」という項目は有料プランからです。

元のコンテンツと処理済みの出力は、サービス提供に技術的に必要な場合に限って一時的に保存され、そのあと削除されます。

認証の面では、ISO 27001とSOC 2 Type 2の2つが挙げられています。

DeepLが公式に示しているセキュリティの線
  • ISO 27001認証:すべてのデータ処理を認証済みの安全なデータセンターで行う
  • SOC 2 Type 2への準拠:プロセスとインフラの両面で第三者の監査を受けている
  • TLS暗号化:無料版を含む全プランに適用される
  • 私有キーの利用(BYOK):Enterpriseプランでのみ利用できる

稼働率の保証は、Businessプランが99.0%、Enterpriseプランが99.9%という数字が掲げられています。

ドメイン管理とユーザープロビジョニング(SCIM)は、Businessプラン以上の機能です。

DeepL翻訳の製品ページでは、このほかにGDPR・HIPAA・BSI C5 Type 2への準拠も挙げられています。

DeepLを使える場所|アプリと連携先の一覧

DeepLはブラウザの翻訳画面だけで使う道具ではありません。

公式のダウンロード欄には、OSとアプリごとの入口が並んでいます。

区分公式が提供しているもの
デスクトップWindows版DeepL/Mac版DeepL/Voiceデスクトップアプリ
モバイルAndroid版DeepL/iPhone版DeepL/iPad版DeepL
ブラウザ拡張機能Chrome拡張機能/Firefox拡張機能/Edge拡張機能
Microsoft製品との統合Microsoft Word版/Outlook版/PowerPoint版/Microsoft 365
Google製品との統合Google Workspace版DeepL

ブラウザ拡張機能を入れてDeepLのアカウントでログインすると、DeepL ProとWrite Proの全機能が使えます。

公式FAQは、Chrome用の拡張機能を使うとGmail・Googleドキュメント・Googleスライドの中で直接使えると説明しています。

ファイル翻訳の対応形式も公式の機能一覧に並んでいて、PDF・Word・PPT・Excel・画像内テキストが対象です。

文書ファイルは、元の書式やレイアウトを保ったまま翻訳されるのがDeepLの売りになっています。

操作の手順はDeepLの使い方をまとめた記事で追っています。↓

DeepLを導入した企業が公表している数字

公式サイトのお客様事例には、日本企業の名前がいくつも並んでいます。

企業公式サイトが紹介している内容
住友商事株式会社全社導入で翻訳作業を半分以下に短縮し、外注コストを削減。62カ国123拠点の運営を支える
メルク株式会社DeepL APIで翻訳品質を保ったまま、専門的なWebサイトを最速でグローバル展開した
サイボウズ言語AIでグローバルな協業を効率化し、グループウェアを国際的に拡大した
大和証券グループ全体での活用事例として紹介されている

表の出典はDeepL翻訳(DeepL 公式)のお客様事例の欄です。

同じページには、日立産機システムが翻訳時間を60%削減した事例も紹介されています。

公式サイトが掲げている導入企業の数は20万社以上です。

これらの数字は各社の使い方と規模に依存するので、自社での効果は無料体験で測るのが確実です。

DeepLについてよくある質問

DeepLは無料で使えますか?

無料版が用意されており、1か月に5万文字までのテキスト翻訳と月1件までのファイル翻訳(5MBまで)が使えます。

DeepLの無料版は1回に何文字まで訳せますか?

公式の翻訳画面の入力欄には「0 / 500」と表示されており、1回に貼り付けられるのは500文字までです。

DeepLは何言語に対応していますか?

公式サイトは100以上の言語に対応していると掲げており、文体のルールを適用できる訳文の言語は公式ドキュメントで33種類が挙げられています。

DeepLに入力した文章はAIの学習に使われますか?

公式FAQは、DeepL Proのお客様のデータはDeepLのAIモデルを訓練するために使用されないと明記しています。

DeepL Proの料金はいくらですか?

ユーロ表示で、Individualが月額換算€7.49、Teamが1ユーザーあたり€24.99、Businessが1ユーザーあたり€49.99(いずれも年払い・税込)です。

DeepLの支払いにPayPalは使えますか?

公式FAQは現在PayPalは利用できないと明記しており、クレジットカード・デビットカード・SEPA口座引き落とし・銀行振込から選ぶ形になっています。

DeepLを運営しているのはどこの会社ですか?

ドイツのケルンに本拠を置くDeepL SEで、最高経営責任者はDr. Jaroslaw Kutylowskiです。

DeepLとは何かのまとめ

うさみほ

DeepLは、翻訳・推敲・音声翻訳・APIまでそろった翻訳の道具箱です。
気になるところから、無料版で試してみてください。

ここまでの内容を、判断に使える形で1つの表にまとめます。

知りたいこと答え
DeepLとは何かドイツのDeepL SEが提供するAI翻訳プラットフォーム
サービス開始DeepL翻訳が2017年8月、DeepL Proが2018年3月
プロダクトDeepL翻訳/DeepL Write/DeepL Voice/DeepL API/各種の統合機能
対応言語100以上。文体ルールが使える訳文言語は33種類
無料版の範囲月5万文字、ファイル1件/月(5MBまで)、用語集1個
有料プランの価格Individual €7.49/Team €24.99/Business €49.99(ユーロ表示・年払いの月額換算・税込)
データの扱いDeepL Proのデータはモデルの訓練に使われない。ISO 27001とSOC 2 Type 2に対応

DeepLを試す最短ルートは、無料版の翻訳画面に実際の仕事の文章を500文字だけ貼ってみることです。

出てきた訳文の質が、自社の用途に足りるかどうかの判断材料になります。

業務の文書をそのまま扱うなら、入力内容がモデルの訓練に使われないIndividual以上が前提です。

チームで使うなら、用語集の共有とカスタムルールが増えるTeam以上が現実的な選択肢になります。

30日間の無料体験が用意されているので、契約前に実際の業務量をあててみるのが確実な進め方になります。

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