Recraftとは、ふつうの画像だけでなく、編集できるベクター(SVG)まで作れる画像生成AIです。
公式ドキュメントはRecraft Studioを「a creative platform powered by top frontier image models, including Recraft, Nano Banana, and others」と説明しています。
自社モデルは4世代あり、最新は2026年5月14日に公開されたRecraft V4.1でした。
ロゴ・アイコン・イラストのように、あとから点や色を直したい素材づくりに寄せた作りになっています。
無料プランでも試せますが、作った画像の所有権はRecraft側に残り、商用利用のライセンスは付きません。
この記事は2026年9月16日にRecraftの公式サイト(公式ヘルプ/公式ドキュメント)を確認した時点の記載にもとづいています。
Recraftとは、ベクター(SVG)まで作れる画像生成AIです
まず、いちばん知りたいところからお答えします。
Recraftは、指示文から画像を作るAIサービスです。
ここまでは他のサービスと同じですが、違いは出せるファイルの種類にあります。
Recraftは、そのままSVGとして書き出せるベクター画像を作れます。
ベクターは、拡大しても輪郭がぼやけない形式です。
ロゴ、アイコン、印刷物のように、あとから大きさを変える素材で効いてきます。
公式ドキュメントのベクターエディタの説明には、次のように書かれていました。
「Refine your vector right on the canvas, then export it as an SVG or PDF when you're ready.」です。
キャンバス上で直してから、SVGかPDFで書き出すという流れになります。
出どころはRecraft Documentation(Recraft 公式ドキュメント)です。
Recraftの自社モデルは4世代|V4.1からV2まで
Recraftは、自分たちのモデルを4世代公開しています。
公式ドキュメントの説明を表にまとめます。
| モデル | 公式が書いている位置づけ |
|---|---|
| V4.1 | 最新世代。写実性が自然で、短い指示文でも狙いを外しにくい。Utility系を初めて導入 |
| V4 | 前の世代。ふだんの生成の既定として頼れる。V4.1より作風が強く出る |
| V3 | V4より1枚あたりが安く、生成も速い。スタイルの一貫性と文字の位置決めに強い |
| V2 | いちばん安いモデル。Plastic 3Dのような特定の見た目や、線幅のそろったベクターアイコン向け |
世代が新しいほど良い、という単純な並びにはなっていません。
公式は、V3について「Risograph and Hard flash」といった人気のスタイルがここにある、と書いています。
V2についても「long-loved Plastic 3D style」という書き方でした。
古い世代は、その世代にしか無い見た目のために残されているという説明です。
選び方の指針はChoosing a model(Recraft 公式ドキュメント)にまとまっています。
RecraftのV4.1は8種類|Pro・Utility・Vectorの組み合わせ
最新のV4.1は、1つのモデルではありません。
公式ドキュメントによると、8つの版に分かれています。
| 版の名前 | 1枚あたり | 生成時間の目安 |
|---|---|---|
| Recraft V4.1 | 0.035ドル | 6.5秒 |
| Recraft V4.1 Pro | 0.21ドル | 12秒 |
| Recraft V4.1 Utility | 0.035ドル | 8.5秒 |
| Recraft V4.1 Utility Pro | 0.21ドル | 14秒 |
| Recraft V4.1 Vector | 0.08ドル | 12秒 |
| Recraft V4.1 Vector Pro | 0.30ドル | 15秒 |
| Recraft V4.1 Utility Vector | 0.08ドル | 14秒 |
| Recraft V4.1 Utility Pro Vector | 0.30ドル | 17秒 |
名前に付く3つの言葉の意味も、公式が説明していました。
- Pro:解像度が高く、細部が細かい。大きく印刷する素材向け
- Utility:意外性より素直さを優先する。モックアップや商品写真向け
- Vector:書き出せるベクターを出す。形も色もあとから直せる
V4.1のすべての版は、無料プランを含むすべてのプランで試せると公式は書いていました。
原文は「All versions of Recraft V4.1 are available to test on all plan types, including the Free plan.」です。
公式はV4.1の狙いを「The photorealism is quieter and more realistic.」と表現していました。
派手さではなく、静かな写実に寄せた、という書き方です。
出どころはRecraft V4.1(Recraft 公式ドキュメント)です。
RecraftのV4 Styles|参照画像1〜10枚で見た目を固定できます
自社モデルとは別に、スタイル専用の系統もあります。
2026年8月に公開された Recraft V4 Styles です。
参照画像を1枚から最大10枚渡すと、それ以降の生成が全部その見た目に従うという仕組みでした。
公式の説明では、そろうのは雰囲気だけではありません。
描き方(rendering technique)、色、質感、構図まで保つ、と書かれています。
学習や微調整の工程は要りません。
参照画像を上げると style_id が返ってきて、すぐに生成に使える、という流れです。
公式は「The references can come from anywhere — other generators, branding materials, or existing assets.」とも書いています。
他の生成AIで作った画像や、既存のブランド素材を参照元にできる、という意味になります。
なお、この系統のモデルには必ずスタイルの指定が要ります。
style_idも参照画像も付けずに送ると、リクエストは拒否されると明記されていました。
Recraft Studioとは|キャンバスの上で作って直す作業場です
Recraftの作業画面は、Recraft Studioという名前が付いています。
公式の説明は「a creative platform powered by top frontier image models」でした。
画面の作りは、1枚ずつ生成する形ではなく、キャンバスに並べていく形です。
公式ドキュメントが機能の柱として挙げていたのは4つでした。
- Editing:自然な言葉での編集と、手作業での編集
- Styles:用意されたスタイルを当てる/自分のスタイルを作る
- Mockups:商品のモックアップを作る
- Color palettes:自分の色見本とパレットを登録する
作って終わりではなく、同じ画面の中で直し続ける前提の作りになっています。
公式ドキュメントには、このほかにも細かい機能のページが並んでいました。
アスペクト比、アーティスティックレベル、複数枚の同時生成、文字入れ、カスタムフォント、ネガティブプロンプト、指示文の抽出などです。
シームレスなパターン(seamless patterns)の生成や、フレーム、インペイント、アウトペイントも用意されています。
出どころはRecraft Studio Overview(Recraft 公式ドキュメント)です。
Recraftのベクターエディタ|点・曲線・色まで直せます
ベクターを作れることと、ベクターを直せることは別の話です。
Recraftは、後者のための道具も内蔵しています。
公式の説明は「lets you edit every point, curve, and color of a vector image directly in Recraft Studio」でした。
すべての点、曲線、色を、そのまま画面の中で直せる、という意味です。
対象になるのは、Recraftで作ったベクターだけではありません。
自分のパソコンから読み込んだSVGファイルも編集できる、と書かれていました。
使い方は、キャンバス上のベクター画像をダブルクリックする形です。
すると、ベクターが一時的に個々の図形へ分解されます。
完全に分解したい場合は「Turn into frame」を押すと、図形ごとに独立した対象になるという説明でした。
なお、ベクターは Create の中で画像とは別の生成タイプとして扱われます。
公式は「Reference images aren't available when generating with the Vector generation type.」と注記していました。
出どころはVector Editor(Recraft 公式ドキュメント)です。
Recraftの外部モデル|Flux 2やNano Bananaを同じ画面から使えます
Recraftは、自社モデルだけの閉じた場所ではありません。
公式が External models と呼ぶ枠で、他社のモデルも同じ画面から使えます。
公式の説明は「so you can generate and edit images without switching tools」でした。
道具を切り替えずに済む、という書き方です。
公式ドキュメントの表に載っていたモデルから、いくつか挙げます。
| モデル | 提供元 | 公式の説明 | クレジット |
|---|---|---|---|
| Flux 2 Max | Black Forest Labs | 複数画像をまたぐ複雑な作業で一貫性を最大化 | 18 |
| Flux 2 Pro | Black Forest Labs | 指示文への追従が強い、実務向けの写実 | 10 |
| Flux 2 Flex | Black Forest Labs | 品質・速度・文字の制御を調整できる | 13 |
| Flux 2 Dev | Black Forest Labs | オープンウェイト。試行とパイプライン向け | 3 |
Studioの紹介文には、Nano Bananaの名前も挙がっていました。
外部モデルはクレジットの消費が自社モデルと別に決まっているので、使う前に数字を見ておく必要があります。
出どころはExternal models(Recraft 公式ドキュメント)です。
RecraftのAIチャット(エージェント)モード|会話しながら作れます
指示文を1回ずつ書くのとは別に、会話で進めるモードもあります。
公式が AI Chat (Agentic) mode と呼んでいるものです。
左のパネルの Chat タブから開きます。
公式は「like a design assistant」という言い方をしていました。
できることとして挙げられていたのは次の5つです。
- 会話の文脈を引き継いだまま、生成と作り直しを続ける
- 指示文やデザインの方向性のブレインストーミング
- 複数の工程がある作業を、手順を追って進める
- 拡大や別スタイルの提案など、次の一手のヒントを出す
- 結果をキャンバスに並べて、前の出力と見比べる
ひとつ注意点も明記されていました。
チャットは、そこで作ったものの記録を残しません。
公式の原文は「Chat doesn't keep a record of what you generated in it.」です。
作った画像そのものはキャンバスに残りますが、会話の履歴としては追えない、という意味になります。
過去の生成をたどりたい場合は、左上の History を使う、という案内でした。
Recraftのモックアップとカラーパレット|商品の見せ方まで作れます
Recraftには、作った絵を商品の形で見せる機能もあります。
公式が Mockups と呼んでいる機能です。
公式ドキュメントの説明は「Create realistic product mockups in minutes.」でした。
モックアップの生成は2クレジット、Mockupizeも2クレジットと料金表に書かれています。
自分のデザインを、そのモックアップに当てはめる手順も別ページで説明されていました。
色の管理も用意されています。
自分の色見本とパレットを登録して、生成のときに指定する形です。
既存の画像を、登録したパレットで塗り直す(Recoloring existing images)機能もありました。
ブランドの色が決まっている案件で、生成物の色をそろえるための仕組みになります。
Recraftの商用利用と所有権|ここが無料と有料の最大の差です
ここは、仕事で使うなら最初に確認しておきたい部分です。
公式ドキュメントは、権利がプランによって変わると明記しています。
| プラン | 公式に書かれていた扱い |
|---|---|
| 無料プラン | 画像はコミュニティのギャラリーで公開される。所有権はRecraftのものとして残る。商用利用のライセンスは付かない |
| 有料プラン | 完全な所有権と商用利用の権利が付く。契約終了後も非公開のまま自分のものとして残る |
無料プランの画像は、ストック素材サイトのように所有権の証明を求められる場所では使えないという例も挙げられていました。
有料プランについては「for any purpose, including marketing, branding, product packaging」と書かれています。
プランに関係なく共通の禁止事項も1行だけありました。
Recraftで作った素材を、AIモデルやシステムの学習に使ってはいけない、という条項です。
出どころはCommercial rights and ownership(Recraft 公式ドキュメント)です。
Recraftの学習データの扱いと、オプトアウトの条件
自分が作った画像や書いた指示文が、どう使われるかも公開されています。
公式ドキュメントは、モデルの改善に利用者の内容を使うと書いていました。
対象は、作った画像・上げた画像・指示文やチャットに入力した文章です。
ただし、例外がはっきり書かれています。
「API inputs and outputs are never used for model training.」という一文です。
API経由のデータは学習に使われず、保存もされない、という説明でした。
初期設定は、アカウントの種類で違います。
無料と有料は既定で含まれ、Teamsは既定で含まれない、という書き方でした。
学習に使わせない設定(オプトアウト)は、無料プランでは選べません。
公式のFAQに「Training opt-out is not available on the Free plan.」と明記されていました。
Proプランの場合は、プロフィール設定の「Help improve Recraft」のトグルを切る手順です。
出どころはData use and model training(Recraft 公式ドキュメント)です。
RecraftのAPIとMCP|外から呼び出す道も用意されています
Recraftは、画面から触る以外の入口も持っています。
公式ドキュメントには、APIリファレンスとMCPサーバーのページが並んでいました。
APIの単位は、アプリのクレジットとは別で、1ドルで1,000 API unitsです。
前払いで買う形で、買ったパッケージに有効期限は無いと書かれていました。
ただし、キャンセルと返金はできません。
公式の原文は「non-cancellable and non-refundable」です。
MCPサーバーが用意されているので、AIアシスタント側からRecraftを呼び出す使い方もできます。
このほか、モバイルアプリとプラグインのページも公式ドキュメントに用意されていました。
Recraftを使う前に押さえておきたい3つの注意点
公式ドキュメントから読み取れる注意点を、3つに絞って並べます。
1つ目は、無料プランの画像が公開される点です。
試すだけなら問題ありませんが、依頼された仕事の素材を無料プランで作るのは前提が合いません。
2つ目は、クレジットの減り方が操作によって大きく違う点です。
公式の表では、ふつうの生成が1×モデル単価なのに対し、Creative upscaleは20クレジットでした。
3つ目は、月のクレジットが繰り越されない点です。
公式の料金ページには「unused credits don't roll over」と書かれています。
一方で、買い足したトップアップクレジットには有効期限が無く、契約をまたいでも残ります。
使う量が月によって大きく変わるなら、小さいプラン+トップアップという組み方も選択肢になります。
まとめ|Recraftとは何かを1枚に整理する
最後に、この記事で公式ドキュメントから確認できたことを並べておきます。
| 論点 | 公式に書かれていたこと |
|---|---|
| 何をする道具か | 指示文から画像とベクター(SVG)を作るAIプラットフォーム |
| 自社モデル | V4.1/V4/V3/V2の4世代。古い世代も固有のスタイルのために残る |
| 最新モデル | V4.1(2026年5月14日公開)。Pro・Utility・Vectorで8版 |
| スタイル固定 | V4 Styles(2026年8月公開)。参照画像1〜10枚。学習工程なし |
| 作業画面 | Recraft Studio。キャンバス上で生成と編集を続ける形 |
| ベクター編集 | 点・曲線・色を直接編集。取り込んだSVGも対象。SVGとPDFで書き出し |
| 外部モデル | Flux 2系やNano Bananaなどを同じ画面から利用。クレジットは別勘定 |
| チャットモード | AI Chat(Agentic)。ただし会話の履歴は残らない |
| モックアップ | 商品モックアップの生成は2クレジット |
| 商用利用 | 無料は所有権がRecraft側で商用不可。有料は完全な所有権 |
| 学習利用 | 既定で対象。API経由は対象外。オプトアウトは無料プラン不可 |
| 外部からの利用 | APIとMCPサーバー。APIは1ドルで1,000 units・返金不可・期限なし |
Recraftを一言でいうと、ベクターまで作って直せるところに寄せた画像生成AIです。
ロゴ、アイコン、印刷物のように、あとから形を触りたい素材で差が出ます。
逆に、写真のような1枚絵を作って終わりにするなら、この強みは効いてきません。
金額の詳しい内訳は、Recraftの使い方を整理した記事もあわせてどうぞ。
この記事の内容は2026年9月16日にRecraftの公式ドキュメントで確認したものです。仕様は変わりますので、最新の情報はRecraft Documentation(Recraft 公式ドキュメント)でご確認ください。

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